福岡県西方沖地震被災者へのアートによるサポート・プロジェクト
2005年11月30日、福岡市立玄界小学校の学習発表会が行われました。
福岡県西方沖地震被災者への芸術文化を通じた支援活動の一環としてアートサポートふくおかがお手伝いして、各学年の劇や全学年での合唱にオリジナル作品を提供し、アーティストによる指導をさせていただいたものです。具体的な内容は以下のとおりです。
【講師等の氏名は敬称略】
- 1年生
劇「ゆりわか」 脚本・演出:後藤香(劇団座”K2T3)
島に伝わる「百合若伝説」をもとにした創作劇
- 2年生
朗読劇「だいじょうぶ、だいじょうぶ」 脚本・演出:語音(かたりね栗原景子、村岡慈子)
絵本の原作をもとに、玄界小の子どもたちのエピソードを織り交ぜた朗読とパーカッション演奏
- 3、4年生
劇「ぼくたちの三年とうげ」 脚本・演出:表現コーディネートあぴあ(久保田りき、富安美沙子)
教科書に載っている韓国の民話「三年とうげ」を玄界風に改訂。
- 5、6年生
ミュージカル「人間になりたがった猫」 脚本・演出:後藤香(劇団座”K2T3) 歌唱指導:亀井直子(声楽家)、振付・ダンス指導:巽慎之介(シン・ダンシング・ブリーズ)
ファンタジー・ノベル「人間になりたがった猫」を、玄界島がモデルの「元気島」を舞台に脚色したミュージカル
- 全学年
合唱「ぼくのふるさと玄界島」 作詞・作曲:野田かつひこ(シンガーソングライター) 歌唱指導:亀井直子(声楽家)
今回のプロジェクトは被災した子どもたちを芸術文化でケアしよう、というのがそもそもの始まりでした。しかし、子どもたちはとても元気。
それなら大変な生活を続ける島の大人たちを子どもの元気で勇気付けよう、というコンセプトで展開したものです。
今日の発表会の様子はテレビや新聞各社に多く取り上げていただけそうです。すでに今日の夕方のニュースで放送されたものもあります。放送を見て確認できたのですが、漁師と思われるおじさんの頬を伝う涙、目頭をぬぐうおばあちゃんやお母さんたちの姿と、「子どもたちががんばっているから私たちも負けずに・・・」と語る人々。子どもたちを通じて私たちが伝えたかったメッセージはしっかり届いたように思います。
学習発表会は無事に終わりましたが、これで活動終了ではありません。島に帰る日は2007年度初頭とメドが立ったようですが、帰ればもとの生活が戻るというものでもないかもしれません。島の住民の方々の苦難は長期にわたるのではないでしょうか。これからも住民の方々に寄り添いながら、私たちが芸術文化でできることを探っていきたいと思います。
今回の玄界小学校支援については、多くの皆様のご支援ご協力をいただいております。ここに感謝を込めてご紹介させていただきます。
(小出郷文化会館を通じて)新潟県魚沼市のみなさま、島根学生災害ボランティアネットワークさま、フィリップモリスジャパン株式会社さま、株式会社エフエム福岡さま
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